悟りの証明

残日録

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

悟りの証明(62)

「三昧」には私たちの意識の秘密が隠されていますが、三昧の意識(一次的意識)と私たちの普通の意識(二次的意識)とを判然としておく必要があります。意識とは、何物かを「知る意識」で「認識」と同義と考えられます。認識を大別すると次のようになります…

悟りの証明(61)

私たちは誰でも、私たちの外側に世界が広がっていて、私たちが死んでもその世界はそのまま残っていると思い込んでいるようですが、果たしてそうでしょうか。一般に、世界と言えば次の三つが考えられます。 1、感じられた世界(感官の対象界) 我々が見るも…

悟りの証明(60)

「善人なほもて往生をとぐ,いはんや悪人をや」(『悪人正機説』) 「橋は流れて水は流れず」 「東山水上行」 仏教のこのような主張には、私たちの「三昧の反省」「現在意識の反省」を前提とした論理そのものを否定し、仏教の論理である『即非の論理』に導こ…

悟りの証明(59)

「鳴らぬ前の鐘の音を聞け」 「隻手の音声を聞け」 「父母未生以前の面目は如何」 これからしばらく禅の「公案」について考えてみたいと思います。「公案」は悟りを得た者(覚者)であれば簡単に解けますが、そうでない場合は全く意味不明で、分別(思量=考え…