悟りの証明

残日録

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

悟りの証明(48)

転載・拡散自由

悟りの証明(49)

オバマ大統領が来日して、広島で大演説を行い、「核廃絶・核不拡散」を訴えました。日本も国際社会も「核廃絶・核不拡散」は殆ど不可能(核保有国の自己欺瞞・自己矛盾・自己都合)と知りつつ、努力することには何ら異存はないということで、このパフォーマ…

悟りの証明(47)

倫理の悪の方面を深く掘り下げていくと、巨悪とは何かということになり、それは戦争以外にないということになります。 私たちは先の戦争に敗れ、自虐史観と自尊史観、左と右に国論を二分しながら不毛の「相殺議論」を70年もの長きにわたって継続し、未だに戦…

悟りの証明(46)

「なぜ人を殺してはいけないの?」 この問いは、1997年8月15日、故筑紫哲也がキャスターを務めたテレビ番組『ニュース23』が企画・放映した「ぼくたちの戦争’97」という特集コーナーで、高校生たちが大人たちと討論する中、ある高校生がこの問いを投げかけ、…

悟りの証明(45)

倫理を求めた吉本は、結局、自らの思想にも宗教にもその窮極的な答えを得ることなく逝ってしまいました。吉本は思想による倫理の追求に限界を感じ、親鸞(宗教)にその望みを託しましたが、結局、親鸞を理解することなく世を去りました。しかし、この講演の…

悟りの証明(44)

主知主義者である吉本は倫理というものを全く理解していません。この講演のような愚かな知を拡散すること自体が倫理に反する悪であることを認識していないのです。<真の倫理は倫理を否定する>ということ、<「人知」によって倫理を語ることが悪である>と…

悟りの証明(43)

吉本隆明の183講演(要検索)の一つ『親鸞の造悪論』に対して、批判を続けます。 「だから、現在の状況では、やっぱり、理念が存在することも、それから、宗教が存在することも認めなければならない。それは、迷妄な部分をもっていても認めなければならない…

悟りの証明(42)

吉本隆明の183講演(要検索)の一つ『親鸞の造悪論』に対して、批判を続けます。 吉本がこの講演において披瀝している内容は、吉本の「知識の対象界」であって、吉本によって知られた世界、吉本によって描かれた世界、すなわち吉本の「客観界」「色の世界」…

悟りの証明(41)

吉本隆明の183講演(要検索)の一つ『親鸞の造悪論』に対して、批判を続けます。 「それから、宗教思想の迷妄な部分は、かならず、理念的になっています。ようするに、なにかイデオロギーになって出てきてしまいます。つまり、それが、現在における、現実の…

悟りの証明(40)

吉本隆明の183講演(要検索)の一つ『親鸞の造悪論』に対して、批判を続けます。 「信仰の問題を、浄土真宗っていうのは最も最初に、一種の善悪の問題、つまり、倫理の問題に、一等最初に置き換えた宗派なわけです。つまり、仏教の僧侶の出家の修行っていう…

悟りの証明(39)

「悟らずして仏教を語ることなかれ」に反して、仏教を語った吉本隆明の「愚の思想」を分析してみることも一興であり、仏教を深く知る上でも意義あることと思います。 吉本隆明の183講演(要検索)というものがあり、その中に『親鸞の造悪論』があります。 「…

悟りの証明(38)

私たちの「普段の意識」「二次的意識」「人間意識」「人為の意識」に対して、「三昧の意識」「一次的意識」「仏の意識」「自然の意識」が対立します。仏教の要諦は、三昧の立場に立ち、三昧においてハタライテイル「自然(じねん)の意識」「無意識の意識」…

悟りの証明(37)

公案に『風性常住無處不周』(風性は常住にして処として周らざる無なし) というのがあります。これは宝徹禅師と一僧との問答に由来します。 宝徹禅師が暑気払いに扇を使っていると、ある僧がやって来て、 一僧「仏教では『風性常住無處不周』といっています…

悟りの証明(36)

大燈国師(鎌倉時代の禅僧)にまつわる有名な小話があります。 ある役人がまっか瓜(国師の好物)を渡そうとして、国師に向かって「無手で受け取れ」と言ったのに対して、国師は「無手で渡せ」と応じたと言うことです。この話は両者共に「覚者」ではないと成…