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悟りの証明

仏教の一隻眼

悟りの証明(52)

山本常朝は自らの一生を<作法化>し、<生の型>をつくりました。未来に目的を持って生きるということは、その目的が現在の行動となるという<円環>を意味します。常朝は「死ぬ」ことを目的にすることで、自らの日常行動を「死ぬ行動」として、そこに<行動の法則>を見いだそうとしました。そうすることで、生死は紙一重となり、善悪も紙一重となります。表には生と善、裏には死と悪、切り離すことの出来ない表裏を持った一枚の生活が、刻々と続くことになります。武士道の根柢には、死に臨んで「後れをとらない」という姿勢があります。刻々の「生死一如」を生きる者にとって「後れをとる」などということはあり得ないということになります。

 

「裏を見せ表を見せて散る紅葉」 良寛曹洞宗の僧侶)

 

(つづく)